よく考えたはずなのに、暮らしてみると不便さや
改善点が色々出てくるのが間取りの難しさです。
家づくりをする時、間取りの失敗例を知っていると助かりますね。
そこで間取りについてよくある失敗をあげてみましょう。
1.欲しかった吹き抜け、でも暖房が効きにくい
吹き抜けがある家は素敵ですね。
部屋が広く見えるし、なんといっても開放感があります。
しかし、吹き抜けは文字通り風が吹き抜けていくので、
特に暖房は効きにくくなります。
温められた空気は上に溜まる性質があるからです。
エアコンではかなり電気代がかかるでしょう。
暖房が効かなくて寒い…という失敗は吹き抜けのせいではなく、
「暖房器具」の選択ミスです。
つまり、部屋全体が暖まる暖房器具である、
床暖房を選ぶべきだったのです。
それが難しい場合は、冬は部屋を小さく間仕切れるようにしたり、
エアコンの吹き出し位置を工夫すると良いでしょう。
間取りは見た目や暮らし易さだけでなく、
経済的・生活環境的な観点からも考えるのがオススメです。
2.客間を作ったけれど、実際には物置に
玄関を入って、左右に分かれて居間と客間がある…
という間取りは大変多いものです。
もちろん、長年使われている間取りですから、
便利で効率的です。
しかし、ご家庭の生活スタイルに合っていなかったら、
無用の長物になってしまいます。
誰を中心に間取りを考えるかが重要です。
来客の多い家ならば、客間は必要でしょう。
年に一度来るか来ないかの泊まり客のために、
客間を作っておくことをどう考えるか。
選択はご家族で相談して決めましょう。
玄関を入って左右に分かれる間取りの場合、
居間が狭くなる傾向があります。
また玄関を入ってすぐに階段が見えてしまいやすい間取りとも言えます。
広い家を建てたいけれど、購入できる土地の広さにはやはり限界があります。
決まった広さの中で間取りを考えるのですから、
できれば家族のためのスペースを広く取りたいものです。
家族にとって、何が重要か考えて間取りは考えてみましょう。
3.家族が増えてトイレ渋滞が発生
注文住宅を建てようと考える時は、いつの頃のことでしょうか?
・子供が生まれたから、小学校に入る前には新築に住みたい。(転校させるのはかわいそう)
・結婚して同居するので二世帯住宅を建てることにした。
・子供が高校生になって借家が手狭になった。(高校生にはあまり転居は影響しない)
など、家庭環境が大きく変わる時期が多いですね。
よくある失敗は建築する時期のことだけを考えた間取りにしてしまうことです。
トイレの渋滞などはその典型でしょう。
オムツをしている赤ちゃんも1人でトイレに行くようになります。
新たに家族が増えることもあるでしょう。
高校生だった子供も成人して結婚、同居を希望するかもしれません。
そうなった時、トイレは1つで足りますか?
洗面所も手狭になっていませんか?
少し未来のことも考えた間取りが、失敗を生みにくくするのです。
4.子供との交流がしにくくなった
コーポなどの借家では狭い分、家族が密に関わり合うことで、
子供との距離が近く感じます。
戸建てを考えた時、
やはり子供には個室を与えることが多いですね。
そうなった場合、子供は次第に個室に籠もりがちになります。
居間と階段が結合していない間取りの場合、
玄関からすぐ階段を上がって部屋に入ってしまい、
子供の様子が分かりにくくなってしまうこともあります。
ですから、子供と自然にコミュニケーションが
図れるような間取りをオススメします。
個室でありながらも、子供の息づかいが感じられるような工夫や、
居間を通らないと各部屋に入れない間取りの採用など、色々考えられます。
せっかく家を建てたのに、
家族との交流が希薄になってしまったなんて寂しいですから。
楽しく交流しやすい間取りを考えてみるのも良いと思います。
5.色々考えたはずなのに狭く感じる
あれもこれもと詰め込み過ぎると、
実際に住んでみると狭く感じてしまいます。
原因は図面と現物の違いです。
図面はあくまでも平面なので、
イメージが沸きにくく、広く感じやすいのです。
ちょっとムダかなと思えるくらいの間取りの方が、
開放感のある暮らしができるでしょう。
新築時には家具がありませんから、家具を置いてしまったら、
更に狭く感じるということもあります。
家具を配置した時狭そうな場所の幅などを数値を、
実際に住んでいる部屋に割り当てて調べてみましょう。
イメージの中の1メートルと、実際の1メートルは違うかもしれません。
家族で間取りを楽しむように、
ちょっと余裕を持った間取りを考えて、試してみましょう。
最後に
何度も書きますが、間取りは家族の生活スタイルや考え方によって、
大きく変化するものです。
その間取り、独りよがりになっていませんか?
間取りを考えながら、家族のあり方について思いを馳せてみましょう。
きっと良い間取りが浮かんでくるはずです。